「春とみどり」
■□あらすじ□■
人づきあいが苦手で、どこにいても居場所がないと感じているみどり。
ある日、母親からの電話で中学時代好きだった親友・つぐみの死を知ったみどりは、葬儀へと出向く。中学時代、自分に居場所を与えてくれたつぐみの死を受け入れられず、ひとりうつむいていると、声をかけられる。
見上げるとそこには中学時代と姿が変わらないつぐみがおり、思わず駆け寄るみどりだったが、少女はつぐみの娘の春子で・・・
居場所がないみどりと、居場所をなくした春子、そんな二人が織りなすセンシティブ同居譚。
みどりと春子を繋ぐのは、すでにこの世を去ったつぐみの存在のみ。
戸惑いながらも、少しずつ、少しずつ、距離を縮めていく二人の様子が
繊細な筆致で丁寧に描かれています。
シリアスな雰囲気の中に温かみを感じられる作品。
非常におススメです。