この国には
牙のない男が増えすぎた
<ストーリー>
昭和63年。暴力団対策法成立直前の広島・呉原―。そこは、未だ暴力団組織が割拠し、新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の「加古村組」と地場の暴力団「尾谷組」との抗争の火種が燻り始めていた。そんな中、「加古村組」関連企業の金融会社社員が失踪する。失踪を殺人事件と見たマル暴のベテラン刑事・大上と新人刑事・日岡は事件解決の為に奔走するが、やくざの抗争が正義も愛も金も、すべてを呑み込んでいく......。警察組織の目論み、大上自身に向けられた黒い疑惑、様々な欲望をむき出しにして、暴力団と警察を巻き込んだ血で血を洗う報復合戦が起ころうとしていた......。